短歌俳句
年の瀬を 家族と過ごす 平凡な 私を見てる 亡き母の目 #短歌
君おいて 冬の寒空 歩いては 帰る言い訳 拾い集める #短歌
つるつると小洒落たビルの片隅で 昼寝しながら音が遠くて #短歌
濃紺の夜空に星がきらめいて 今年も冬が来たと知る夜 #短歌
這う虫を 愛しと思う 午後3時 週の残りも 安らかであれ #短歌
やりきれない 虚しさこそは 私の 懐かしい味 ぬるい風呂水 #短歌
もやもやと脳がほどけてつかんでは 君への返事書きあぐねてる #短歌
空っぽの風に吹かれて眠る時私の下の砂が流れる #短歌
ぬるい風 眠れぬ人が さまよって 月に照らされ セミが鳴いてる #短歌
私だけ 人とは違うと 意地をはる 心の中の 私がまだいる #短歌
ぬるい海 ただ心地よく 足をつけ 君と笑って 涙隠すよ #短歌
自由とは孤独を背負う事と知る 他人の愚痴を浴びせられつつ #短歌
明け方に君に似た子を予感するお腹で眠る君撫でながら#短歌
桃色の透き通る石になる夢を 見たのは君と昼寝したとき #短歌
寂しさを掻き消せ掻き消せ潮騒が唸ったままでサヨナラ叫ぶ #短歌
買い溜めた飴の袋を捨てながら 祖母の愛の行き所探す #短歌
ぬかるんだ土に踏み込み懐かしく 汚れた靴で1人で笑う #短歌
空き地とか勝手に呼んでいたけれど 花が咲き出し写真を撮って #短歌
連勤で平たくなっていくこころ 春の光に思うは締め日 #短歌
花の名を思い出しつつ通う道 1年ぶりの春を楽しむ #短歌
人からの 評価はときに 私の 心を曇らす 油分となりて #短歌
一昨日に飲み込んだあの言葉らは 私に積もって鈍く覆う #短歌
涙とかでないよこんな 渇いた日 明かりが途切れて 痰を吐き出す #短歌
砂つぶが水に吸われて飛ばぬよに私の友は寂しさの内#短歌
やすらぎを覚えるために死んだ僕 そっと描いて仕事に戻る #短歌
気づいたら 隙間1つが 空いていた 消えたアプリが 何かも分からず #短歌
消毒済み 書かれた紙を 踏み越えて 新しい部屋には 跡形もなく #短歌
すり鉢の壁をゴロゴロのたうって 頭を打ってもそこが見えない #短歌
体温が異なる2人寝転がり そうだそれでも私は君を #短歌
今日の朝 運び込まれた段ボール 私の暮らしよ 前に進め #短歌