sundy1987’s blog

1987年生まれ。コミュニケーションの幅を広げたくって自己表現を探り中。

読書:あなたの話はなぜ「通じない」のか 山田ズーニー

 仕事で成果を出せない日々が続いていて、悩むことを半年以上続けている。成果と言っても、数字で評価される仕事ではないから、それは信頼と言ってもいいかも知れない。数字で評価される職場に恐怖感を感じる人は多いけれど、私にとっては「数字を上げていれば大丈夫」の「数字」に代わる免罪符がない今の職場の方が、信頼をもろに試されるシビアな職場であった。

 

 最初は、尊敬できる同僚と働ける幸運に喜び、だがしかし、同僚からの期待に応えられないことに苛立ちを感じていた。そのうち、自分の今まで知っている努力の方法では求める成果は上がらず、段々と何をしていいかもわからなくなった。やがて、自分の力不足をフォローしてくれる同僚に対する感謝は辛うじて失わなっていないものの、「同僚が任せてもらえる仕事は自分はさせて貰えないのだろうか?」「私が評価されないのは、そもそもチームの志向性と私に合っていないのではないか?」と言った不満もムクムクと顔をもたげそうになっている気配を感じていたのも事実である。

 

 仕事での力不足を一発逆転させるような方法もどうせ分からないし、溢れてくる感情を消化しないとまずいと思って始めたのがブログや短歌である。いささかの逃げもあって始めた自己表現の模索であるが、必死なもがきを行うのに、オンライン上の自己表現はちょうど合っていた。弱音は吐いたら余計気弱になるし、自己成長に繋がらないと我慢していた言葉達も、たくさん吐き出して眺めてみると、自分の今を客観的に見ることができるようになってきたのである。

 

 そして、遠回りではあったが、自己表現というキーワードを元に私はこの本に出会うことができた。この本は、小論文編集を通じて考える力・書く力を伸ばすサポートをしてきた著者によるものである。本著では、上記で得られた自分の考えをまとめ、発信するという方法論だけでなく、著者の経験にも踏まえ、社会人向けのコミュニケーション論である。

その内容はかなり手厚い。なぜ多くの人がコミュニケーションに失敗し、どうすれば良いのかということを、かなり丁寧に書いている。今の職場で、何を以て信頼して貰うのか、それは数字のような単一の指標ではく、職場の人の問題意識を探って見出すものであると気づくことができた。

 

 しかし、それ以上に私を救ってくれたのは本著に底通する著者のメッセージであった。それは、自分の「想い」を表現することは可能であるし、それは素晴らしいことであるということだ。周囲の問題意識を理解することは、自分の「想い」を消してそれに従うための行為ではないのである。自分の「想い」を発揮する場を増やすのにも大きく関わるのである。

 

自分一人ではどうしていいか分からないという追い詰められた人に、この著者は具体的な方法論と、人とつながることは素晴らしいという「想い」を伝えてくれた。それは、周囲をもう一度信頼してみようという「想い」となって私に残った。そして、今度は信頼していることを積極的に周りに伝えて、そうして、また信頼関係を繋いで行こうと思わされた。

 

 信頼関係を築けず、努力の仕方がわからなくなってしまった時は、また読み返したい一冊となった。

 

 

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読み返したい箇所に貼っていったら、見事にふせんだらけになった。。。


あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)