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読書:「である」ことと「する」こと

日本の思想 (岩波新書)

日本の思想 (岩波新書)

ずっと読みたかった「であること」「とすること」をようやく読めた。短いが難しそうという先入観だけでここまで避けていた。そういえば、受験時は線を引きながら文章題を読んでいたことを思い出し、そのように読んでみたらあっという間に読めた。
記憶力が悪い私は論の展開を目でわかるように示さないと、今までの議論を忘れて途中で挫折してしまっていたようだ。取り急ぎ概要。

◼︎概要
①物事の評価の仕方には属性を評価するか行動を評価するかという、大きく2つの方法が存在する。
②日本の前近代は前者が社会全体の共通の価値観であった。明治以降、両者が混在するようになり各人が取るべき行動規範も混在している。
③戦前においては画一的な行動規範を強制できだが、戦後はそれもなく混乱は深まっている。
例1: ありのままの良さを堪能すべき文化面では効率化が進み、することの価値観が優勢である。
例2: 絶対的な正解のない政治経済面ではイデオロギー論争というである論が優勢である


A)であることを重んじる価値観What you are (属性)
属性の評価➡︎絶対的価値➡︎状態の評価
∵属性の評価になるので、評価の対象が不変であることが前提となるから
➡︎芸術、文化において必要

B)することを重んじる価値観What you do(行動)
行動の評価➡︎相対的価値の評価➡︎プロセスと結果の評価?
➡︎政治経済において必要
∵完全な状態は存在せず、絶え間ない試行錯誤によって維持されるもので、相対的にしか評価できないため