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音楽:醒めない(スピッツ)

醒めない(通常盤)

醒めない(通常盤)

失ったと思っていたことを取り戻せそうで浮かれてる。浮れるだけではダメだということは身にしみている。しかし、逆にこの浮かれが短期間のものだと知っているので、楽しんでいる。


昨日はご褒美にとっておいたCDを借りてきて聞いた。スピッツが新アルバムを出して、ツタヤの取り扱いまで待てたのはいつ以来であろうか。


浮かれていたために、新譜4枚1,000円キャンペーンに乗ってしまった。そして、浮かれすぎてどの曲も全然耳に入らなかった。


スピッツの歌詞がようやく私に入ってきたのは今日の夜になってからである。ランニングしながら流れてきた「こんにちは」を聞いて、涙が込み上げてきた。アルバムの最後にこんなシンプルで明るい曲を持ってくるなんて、なんて素敵なバンドなんだろうと思った。冒険物語が終着の後、また新しい旅への予感で終わるようだ。


前にテレビでみた「みなと」という曲はアルバムの一曲目で、ロックに対する初期衝動に今も突き動かされているという歌である。実際、世間が色んな曲と歌手を消費する中で、スピッツはずっと活躍している。しかし、キャリアを重ねても「変わらず」情熱を持っている…というのは表面的な見方であろう。


確かにスピッツには変わらない何かもあるが、新しい試みもたくさんある。この、変わってるのに変わらない何かをなんと呼べば良いのであろう。それが、「こんにちは」を聞いてようやく気づけた。もしかしたら、スピッツは何度も情熱を「再発見」しているのではないか。


 そんな情熱への新鮮な驚きは、芸術とは無縁の私にまで飛び火し感動してしまった。私が浮かれていたのは失ったものを取り戻したからである…しかし、多分それは過去の良かった頃にそのまんま戻るということではない。なぜなら、失っていた期間に私は変化しているからである。


もう一度出会えた世界に私は「ただいま」と言いたい…というような短歌を作ろうとしていたが、しっくりきたものがなかった。そんな安心感ではないのだ。もっと新鮮で驚きで嬉しい感情…それは新しい自分が世界に感じている「こんにちは」なのかもしれない。