短歌俳句
電車から ホーム、会社と 止まらない ヒトに押されて 大河に落ちた 若葉一枚 #短歌
冷えた風当たる足達深く組み 画面をかじる熱に浮かされ #短歌
慣れてない慌しさに目を回しパスタぐるぐるかきこみ進む #短歌
草生えぬ高地に立つる御柱 真っ青な空に抜ける神様 #短歌
見あぐるは四方を囲む御柱 山頂に立つ真っ白な祠 #短歌
体内に残ったボルト見るようにかつて泣きにし本に微笑む #短歌
ペン引いた本を見返しわかるのは私の頭の悪さなりけり #短歌
スマホから海外ラジオ伝えるは世界で絶えぬテロリズムのこと #短歌
向田のほんの短いレシピからオンナが生きた歴史が香る #短歌
味噌みりん白身魚に塗った後大葉に挟み焼いた平日 #短歌
害なんて私にないと知ってても 虫は「殺して」気持ち悪いから #短歌
思い出を書き出し始め 降り出した小雨のように言葉あふれ #短歌 思い出を書き出し始め降り出した小雨のように言葉が溢る#短歌
詰めすぎた胃腸の冷えに驚いて 人に会ってた疲れを思う #短歌
ガリガリもようやく30前にして 人並みのたるみ愛しく思う #短歌
真夜中にカラオケ行きて踊ってる 変な生き物ここに生きてる #短歌
落ちた葉も細すぎた木も出ぬ種も 土に還りて命を産んで #短歌
生きるとは誰かの「死」の裏っかわ 同い年だったイトコを思う #短歌
20年前には入って遊びしを岩場から見る夏の大滝 #短歌
同年に生まれなかったイトコの名 叔母が口にし 生かされてると #短歌
同じ船乗ってる者の顔してる 実家で撮った家族写真 #短歌
水粒は天からの糸 雨糸は無数に連なり柱となりて #短歌
ゲリラとは遊撃戦の意味と知るたまたま同じ軒先にいた人 #短歌
カフェでなく喫茶店に来てみたよ チーズトーストゆっくり歯で噛む #短歌
知ることはないあなたとの未来は今 分かれ道の先どこを走るや #短歌
雨にぬれそれでも冷えないこんな日は シャワー浴びたい君と二人で #短歌
あなたとの時間を眼にやきつける ための脳内スローモーション #短歌
あなたとの距離に気づいて照れるのは 私(わたくし)だけか時が淀む #短歌
ひっそりとあなたのそばの空白にひそむ私よ忘れな草 #短歌
眠たさが私の中を満ちてきて濡れた丸太が砂に沈んで #短歌
雨粒が叩く音色を聞き分けて家の裏にあるトタンを知った #短歌